広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)703号 判決
原判決は被告人等に対し夫々三個の物品税法第八条第一項違反の事実を認定し法令の適用において被告人会社に対しては物品税法第八条第一項第一九条第一号第二二条(罰金刑選択)罰金等臨時措置法第二条第一項刑法第四五条前段を適用した外物品税法第二一条を、被告人黒田晴雄に対しては物品税法第八条第一項第一九条第一号(罰金刑選択)罰金等臨時措置法第二条第一項刑法第四五条前段第一八条を適用した外物品税法第二一条を各適用し主文において被告人会社を判示第一事実につき罰金四千円同第二事実につき罰金千円同第三事実につき罰金千円に、被告人黒田晴雄を判示第一事実につき罰金二千円、同第二事実につき罰金千円、同第三事実につき罰金千円に各処する旨の判決を言渡したことは原判決書の記載によつて明かである。ところが、物品税法第一九条の罪を犯した者に対しては同法第二一条(刑法第四八条第二項等の適用を排除する規定)を適用する規定は存在しないから本件の如く物品税法第一九条第一号に該当する数個の犯罪が刑法第四五条前段の併合罪に該当する場合において罰金刑については同法第四八条第二項を適用し各罪について定めた罰金の合算額以下において一個の罰金刑を以て処断すべく各罪につき各別個の罰金刑を言渡すべきでないことは法文上明白である。されば本件犯罪事実につき物品税法第二一条を適用し刑法第四八条第二項の排除あるものとし被告人等に対し各個の罪につき夫々別個の罰金刑を言渡した原判決は法令の解釈適用を誤つたものといわなければならない。而して右の違法は判決に影響を及ぼすこと勿論であるから原判決は破棄を免れない。論旨は理由がある。